CYBATHLON 2024に見る、大腿義足「CYBERLEGs X-Leg」の制御開発と未来

解説対象論文: Cyberlegs X-Leg at CYBATHLON 2024: insights on the control development of an active transfemoral prosthesis
Journal of NeuroEngineering and Rehabilitation|被引用数: 0(2026年8月8日時点)
本記事では、CYBATHLON 2024に出場した能動膝足義足「CYBERLEGs X-Leg」の開発と、その制御システムに焦点を当てた研究論文をご紹介します。この研究は、日常生活動作(ADL)にインスパイアされた多様なタスクにおける義足の性能を評価し、階層的制御アーキテクチャとタスク固有の有限状態機械(FSM)の有効性、そしてその限界を明らかにしました。約46時間の訓練を受けたパイロットが競技に挑み、制御設計の重要性、調整の労力、そして将来の自律的なタスク認識やユーザー個別化に向けた展望が示されています。
はじめに:動く義足が拓く可能性
どうも、Beyond the Pixelです。世界の約4000万人もの人々が何らかの切断を経験しており、その90%が下肢切断であると推定されています。下肢切断は、移動能力の制限だけでなく、睡眠不足、不安、社会機能不全といった精神的・社会的な問題を引き起こすことがあります。義肢デバイスは生活の質や満足度を高める一方で、既存の受動義足やマイクロプロセッサー制御膝(MPK)には限界があり、生物学的なレベルのパワーやトルクを生成できないため、階段昇降や椅子からの立ち上がりといった活動が困難になることが課題でした。これらの制限は、バランスの低下や歩行の非対称性につながり、エネルギー消費の増加や、腰痛、変形性関節症、骨粗しょう症といった長期的な健康問題を引き起こす可能性があります。

今日の技術革新、特にアクティブ義肢の開発は、これらの課題に対処し、ユーザーに正味の正の仕事を提供することを目指しています。しかし、従来の制御システム、例えば軌道追従制御やインピーダンス制御、筋電制御、モデルベース制御などは、複雑なキャリブレーションや信号処理を必要とし、異なるシナリオでの一貫した性能維持が難しいという課題を抱えています。現在のアクティブ義足は、タスク間の遷移やタスク内での遷移を制御するために有限状態機械(FSM)を用いたインピーダンス制御や軌道追従制御が一般的ですが、多様な動作モードや関節が増えるにつれて制御アーキテクチャは複雑になり、時間のかかる調整プロセスが必要となります。
このような背景の中、ETH Zurichが設立した非営利プロジェクトであるCYBATHLON(サイバスロン)は、テクノロジーの進歩を競争を通じて促進することを目的としています。CYBATHLONは4年ごとに開催され、世界中のチームが日常生活にインスパイアされた10のタスクでデバイスの性能を評価します。本稿では、CYBATHLON 2024の義足レースに参加したCYBERLEGs X-Legというアクティブな膝足義足の開発と導入について、特にその制御開発の側面から詳しくご紹介します。
CYBERLEGs X-Leg義足のハードウェアと制御システム
Vrije Universiteit Brusselで設計されたCYBERLEGs X-Leg義足は、CYBATHLON 2024で用いられた能動式の大腿義足です。以前のモデル(CYBERLEGs Beta-Prosthesis)と比較して、機械的アーキテクチャが改良され、トルクの一貫性が向上し、機械的複雑性が軽減され、全体の質量が低減されています。この義足は、矢状面で1自由度を持つ2つの能動関節(膝と足首)を備えています。膝関節は4リンク機構とボールねじ駆動でトルクを発生させ、足首関節は足底板と脛骨を繋ぐ軸と2本のグラスファイバー製ビームスプリングから構成されています。システム全体の重量は、フットプレートカバーと靴を含めて約5.3kgです。演算ユニット、バッテリー、通信モジュールは膝のケース内に格納されています。
CYBERLEGs X-Legの制御システムは、ハイレベル、ミッドレベル、ローレベルの3層からなる標準的な階層構造を採用しています。ハイレベル制御はユーザーの意図を推定し、適切なタスクモードを選択します。ミッドレベル制御は、そのモードに合わせた義足のパラメーターと関節軌道を具体的に指定します。ローレベル制御は、関節トルクと環境との物理的相互作用を直接制御します。この階層構造により、ミッドレベル制御器を独立して開発することが可能になり、チーム内のプログラミングタスクを分担することができました。
ミッドレベル制御では、CYBATHLONの各タスク(例えば、歩行、着座・起立、障害物回避、不整地・坂道歩行、階段昇降など)に対して個別の有限状態機械(FSM)が実装されました。各FSMは、ユーザーの動きを異なるサブ状態に分解し、関節角度や角速度などの閾値ベースの条件によって状態間の遷移をトリガーします。しかし、タスク間の自動的な切り替えは困難であったため、ハイレベル制御ではユーザーが義足とWi-Fi接続された専用インターフェースを通じて、手動でタスクモードを選択する方式が採用されました。このインターフェースでは、タスク選択の他に、モーターの有効/無効化、膝エンコーダーのリセット、IMUの初期化なども可能です。

主なタスクの制御ロジック
各タスクのミッドレベル制御は、それぞれの活動に特化したFSMによって行われます。以下に主要なタスクの制御ロジックを説明します。
歩行
歩行FSMは、「アイドル」、「ワンステップ」、「スタンス(立脚期)」、「スイング(遊脚期)」の4つの状態に分かれます。スタンスとスイングは定常歩行中に使用され、アイドルは静止立位、ワンステップは予期せぬ遷移を防ぐための安全対策です。健全な脚の角速度や義足側の太ももの角速度の変化、または連続的な位相変数によって状態が遷移します。膝関節はスタンス時には伸展位で固定され、スイング時には一定のトルク指令により屈曲が許容されます。足首関節は受動的な設定で、足底屈と背屈を可能にします。

着座・起立(Bench & Tableタスク)
このタスクは、ベンチを越え、着座・起立を模倣するものです。健全な脚でのベンチ越えと、義足での着座・起立の2つの独立した経路があります。アイドル状態から健全な脚を持ち上げるとスイングイン状態に遷移し、義足側の太ももの角速度が増加するとスイングpr状態に移り、膝の屈曲が許容されます。胴体を前に傾けるとスタンドトゥシット状態に遷移し、太ももの角速度がゼロに近づくとシッティング状態へ。その後、両太ももの角速度が増加するとシットトゥスタンド状態へ遷移し、アイドル状態に戻ります。このタスクでは、健全側の太もも角度に基づく位相変数が計算され、着座・起立中のトルクアシストを決定します。

ハードルとステップオーバー
これらのタスクは、水平な棒や箱などの障害物を乗り越えることを要求します。股関節のロール角とその角速度の閾値によってスイング状態に入り、膝関節の目標軌道は太もものロール角の関数としてリアルタイムで計算されます。ハードルとステップオーバーでこの関係のパラメーターは異なります。
階段とハシゴ
階段とハシゴのタスクでは、段を上るための同様のFSM制御戦略が用いられます。スタンス状態から健全な脚で最初の段に上がるとプッシュオフ状態に遷移し、その後スイング状態に入って義足側を次の段に配置します。義足が完全に伸展すると、スタンス状態に戻ります。下りる際の戦略は異なり、階段では義足の荷重を利用して膝を曲げ、ハシゴでは健全側股関節の伸展によって動きを開始し、義足膝が下向きの動きを調節するトルクを提供します。

ぐらぐら、バランスビーム、クロスカントリー
これらのタスクでは、定常的な動作パターンが見られなかったため、コントローラー設計はユーザーの好みとハードウェアの限界に基づいて行われました。両関節に固定された参照位置が設定され、膝は主に伸展位を保ち、足首は受動的な部品を通じて広い可動域を確保し、ユーザーのバランスに貢献しました。
ローレベル制御
ミッドレベルからの出力は、ローレベル制御によって追従されます。モーター位置を設定する必要がある場合は、内側の速度制御ループを持つ閉ループ位置制御器が使用されます。荷重がかからない遊脚期などでは、インピーダンス制御が用いられ、ユーザーの好みに応じて剛性と減衰係数が調整され、順応性のある挙動を提供します。トルクプロファイルが指令される場合は、ロードセンシングテストベンチ実験から導出された特性が追従されます。足首の場合、モーター位置と足首角度に依存するトルク出力のため、3Dルックアップテーブルが生成されます。
パイロットのトレーニングと競技での経験
この研究には、Kレベル3の大腿切断を持つ58歳の男性パイロットが一人参加しました。彼は3ヶ月間にわたり、計約46時間の訓練を行いました。この訓練は24回のテストセッションに分けられ、FSMや制御パラメーターの調整、および競技ルールに沿った機能訓練が含まれていました。特に、階段昇降時などの広い可動域を可能にするため、新しいソケットインターフェースが特別に設計されました。各セッションでは、パイロットはCYBATHLONのタスクを複数回実行しました。初期の数週間は、FSMの個別のパラメーター調整が主に行われ、パイロットのフィードバックに基づいて制御パラメーターが修正され、安全かつ不快感なくタスクを遂行できるようになるまで繰り返されました。
FSMの調整が完了した後(約22時間)、残りの訓練時間はパイロットが義肢でのタスク実行における専門知識と自信を養うことに重点が置かれました。この第2段階では、パイロットがセッションごとにタスクを実行する方法にばらつきが生じることがあり、それが状態遷移エラーを引き起こし、さらなる微調整が必要となることもありました。訓練期間の終盤には、パイロットはCYBATHLONのレース時間である6分以内に全コースを完走できるようになりました。
競技会中、パイロットは10のタスクのうち8つを試み、そのうち3つを2ラウンドの6分以内に完了しました。競技会後にもテストセッションが行われ、時間制限なしで各タスクを少なくとも3回実行しました。このセッションで収集されたデータは、義肢に組み込まれたセンサーと、制御に使用された5つのIMUセットからの測定値を含みます。
競技結果の分析
* 歩行: パイロットは10mの平地歩行を行い、位相変数が歩行パターンを確実に追跡しました。義足の膝は健全な膝と比較して一貫して屈曲角度に達し、足首は受動的なバネの圧縮により足底屈を提供しました。

- ベンチ(着座・起立): 着座・起立サイクルを開始する前に、パイロットはベンチを越える必要がありました。この動きは常に健全な側から開始されました。義足の膝は完全に伸展したままで、足首は受動的なビームの圧縮によって足底屈トルクを提供しました。障害物をクリアするために必要な膝の屈曲は、残存肢の角度を調整することで達成されました。着座から起立への動きでは、膝は伸展トルク、足首は足底屈トルクを生成し、膝の屈曲が進むにつれて両方とも徐々に増加しました。

- 階段: 階段昇降時、健全な肢で上る際には、義足の足首が足底屈トルクを提供して前進を助けました。その後、義足の膝は屈曲が許容され、次の段に足を置くことができました。最終状態では、義足の膝が伸展トルクを提供してパイロットを持ち上げました。パイロットの好みにより、伸展トルクは17Nmに制限されました。

階段降下は、単一のインピーダンスベースの状態を用いて制御され、膝が一定の目標角度に向かって調整されました。膝が屈曲するにつれて、抵抗する伸展トルクが比例して増加し、パイロットが体重をスムーズに下ろすことを可能にしました。

- ハードルとステップオーバー: これらのタスクでは、膝の屈曲は太ももの角度に比例するように定義され、低い剛性のインピーダンスベース制御戦略が用いられました。これにより、義足は太ももが持ち上がり始めるとすぐに弾道的なスイングを生成する減衰振り子のように機能しました。

課題と今後の展望
CYBATHLON 2024競技は、FSM制御戦略と自社開発の義足プロトタイプの能力と限界を、日常生活に類似した複数の機能的タスクで実証する機会となりました。本研究は、新しい制御アルゴリズムを提案するのではなく、既存のタスクベースのアプローチが、競技準備、パイロット訓練、実際の実行という実践的な制約に直面したときにどのように機能するかを評価することに焦点を当てました。
準備と訓練の課題
チームは当初、異なるタスクをより汎用的な状態機械に統合し、自動切り替えを可能にすることを目指していましたが、利用可能なデータとタスクの多様性から、直接的な解決策を見つけることが困難でした。このため、ハイレベル制御は手動での歩行モード選択に依存しました。この方法は予測可能なタスク認識を保証しましたが、認知負荷の増加、自然さの喪失、活動中の応答性の低下につながる可能性があります。
FSMの調整には約22時間、パイロットの訓練には約24時間が必要であり、これは複数の歩行モードにおける機能的移動訓練に関する先行研究と一致しています。訓練期間の終わりには全コースを6分以内に完走できましたが、さらなる訓練があれば、各タスクの熟練度をさらに向上させることができたと推測されます。
共同設計と個別化の重要性
制御実装の経験から、共同設計と個別化の重要性が浮き彫りになりました。健常対象者のデータからFSMのパターンを特定することから始めましたが、これらのパターンが必ずしも大腿切断者の戦略を反映しているわけではありませんでした。着用型ロボット工学における個別化の必要性は、人間の運動制御の生来の多様性に起因します。経験、形態、環境制約に応じて、同じ運動タスクを複数の協調戦略で達成できるからです。この文脈において、単一の参照戦略(例えば健常者のパフォーマンスに基づく)に基づいて設計された義足制御器は、可能な運動解決策の多様性を捉えきれない可能性があります。
調整プロセス中に、パイロットからの反復的なフィードバックを通じていくつかのFSMが再設計され、当初実装されたロジックとアシストが大幅に修正されました。これはタスク実行パフォーマンスを向上させましたが、共同設計を遅い段階で行うことの限界も浮き彫りにしました。パイロットの利用可能性が限られていたため、これらの変更のほとんどは、特定の人間行動を捉えることよりも、迅速な状態機械の調整を優先しました。これらの選択は、比較的柔軟性の低い状態機械となり、個人の好み、能力、またはタスク固有の設定に制御が過度に適合するリスクを高めます。
閾値ベースFSMの感度
準備と訓練のプロセスでは、タスク固有のFSMアプローチを、時間と疲労の制約があるマルチタスクシナリオにスケールアップする際のいくつかの限界が明らかになりました。閾値は単一の参加者に合わせて調整されていましたが、パフォーマンスのばらつきに敏感で、複数の日にわたって一貫性がありませんでした。実際、FSMは運動の変動性に敏感であり、追加の疲労(例:トレーニングセッションの終わり)が状態遷移を誤らせる原因となることもありました。効率的な状態機械の使用には、パイロットが閾値がどこで発生し、どのようにトリガーするかを理解する必要がありました。これは、ユーザーの精神的負担を増大させ、義足の非効率な使用につながる可能性があります。このため、可能な限り、一部のFSMは調整プロセス中に段階的に簡素化されました。状態と遷移の数を減らすことで、制御ロジックはパイロットにとって覚えやすくなり、パフォーマンスの変動に対する感度が低下し、より一貫性のある堅牢なタスク実行が可能になりました。
予測可能性とユーザーの信頼
競技設定をシミュレートする際、各タスクはプレッシャーと時間的制約の下で行われ、身体的および精神的疲労が増加しました。これらのテストセッション中、パイロットは、比較的低いアシストや単純な制御ロジックを必要とする、制御アクションが限定されたタスクを実行する際に高い自信を示し、より予測可能な挙動を示しました。しかし、着座から起立への遷移のようなものは、トルクが急増するため、パイロットには不連続で予測不可能なアシストとして認識されました。このため、調整中に選択された一部の制御アクションは、最大の可能なアシストよりも再現性を優先しました。例えば、階段昇降時には、低く一定の伸展トルク(17Nm)が選択されました。これは、活動中の高トルク印加によって残存肢インターフェースに生じる不快感を避けるというユーザーの好みを反映しています。このレベルのアシストは生物学的な関節サポートを再現するには不十分でしたが、パイロットは手すりを使用したり、他の代償戦略(例えば、引き上げフェーズでの股関節伸展モーメントの増加など)を用いて補いました。
これらの保守的な解決策は、ハードウェアの予測可能な挙動がいかにユーザーの信頼を高めるかを示しています。義足が何をするかを知っていることは、より強力だが予測不可能なアシストを受けるよりも価値がある場合があります。ユーザーが義足に完全に駆動されるのではなく、積極的に動きに貢献する必要がある場合(例えば、股関節の動きを調整したり、上半身のサポートに頼ったりする)、デバイスに対するより強い制御感覚につながると考えられます。
今後の研究
競技中に遭遇した課題は、日常生活のタスクにおける我々のアクティブ義足の現在の限界を特定することを可能にしました。本研究は、ハイレベルおよびミッドレベル制御層における階層的FSM手法の限界を浮き彫りにしました。このシステムでは、ハイレベル制御器が多くの異なるタスクを区別できる必要があり、タスクが増えるにつれて手動選択方法は非現実的になります。さらに、タスクの数が増えると、アクションを分類するために必要なパラメーターが増え、ヒューリスティックに最適化された閾値分類器の作成がより困難になります。タスクの数が増えることは、タスクの開始を定義するセンサー信号がより類似し、検出の複雑さが増す可能性も意味します。実装された制御構造は、使いやすさを犠牲にしてデバイスの機能を増加させました。
将来的には、より直感的でユーザー個々のニーズに合わせた自動システムへと移行する必要があります。研究チームは、これらの課題に対処するため、健常対象者と義足ユーザーによる新しいデータ収集を行い、AIベースの分類器を作成する過程にあります。特に、義足の異なる軸に沿った力の分布を測定するロードセルセンサーの統合は、運動学的に類似した動きの差別化に役立つ可能性があります。センサーモダリティの数を増やすことは、多数のタスククラスに対しても堅牢な分類器の開発をサポートすると期待されます。
また、ミッドレベル制御器の調整プロセスに必要な膨大な時間は、人間参加型最適化(human-in-the-loop optimization)手法を導入することで軽減できる可能性があります。パイロットとの約46時間の時間のうち、約50%が調整プロセスに費やされました。この新しいフレームワークは、ユーザーの好みや筋肉活動などの定義されたコスト関数に基づいて、着用型デバイスのアシストを自動的かつ継続的に適応させる機会を提供します。
最後に、パイロットからのフィードバックに基づき、提供されるアシストの連続性を高めることで、全体的なユーザー体験が向上すると考えられます。現在のFSM制御器は区分的に定義された制御戦略に基づいています。状態間の不連続性は、遷移間の制御アクションをより良くブレンドする方法を採用するか、位相変数ベースまたは振動子ベースの制御に移行することで軽減できる可能性があります。
まとめ
CYBATHLON競技は、当社の義肢デバイスの現在の能力と限界を、日常業務にベースライン制御戦略を適用することによって評価する具体的な機会を提供しました。このデバイスは、訓練を受けていないユーザーが日常生活活動でサポートされるように設計されているため、この対象集団を代表するパイロットを選定しました。階層的制御は、移動モード選択のための手動入力と、ユーザーの好みに合わせて調整された有限状態機械に依存していました。
対処された主なタスクは、歩行、階段昇降、着座・起立、障害物回避と要約できます。パイロットは歩行や障害物回避中に提供されるアシストに自信を感じていましたが、着座・起立や階段では問題が報告されました。これらのタスクでは、一部の状態で提供されるトルクが残存肢に不快感を引き起こし、最終的には対側肢での代償戦略につながりました。
全体として、CYBATHLONへの参加は、競技用に調整されたものの、より一般的な文脈に応用できる制御器を開発する上で実践的な経験を提供しました。これはプロジェクトに関わった全員にとって素晴らしい学習機会であっただけでなく、今後の研究の基礎を築きました。今後の改善は、タスク認識のためのハイレベル制御、よりパーソナライズされたアシストプロファイルへの移行、および調整プロセスの自動化に焦点を当てることになります。
用語集
- アクティブ義肢: モーターなどを用いて関節を能動的に動かし、パワーを生成できる義肢。
- CYBATHLON(サイバスロン): 身体能力を補助する最新技術を駆使してパイロットが競い合う国際的な大会。
- 有限状態機械(FSM): システムの状態と、ある状態から別の状態へ遷移する条件を定義する制御モデル。
- 階層制御アーキテクチャ: 高レベル(意図推定)、中レベル(タスク固有のパラメーター)、低レベル(直接制御)に分けられた制御構造。
- インピーダンス制御: デバイスが環境と相互作用する際の剛性や減衰といった機械的特性を調整する制御方法。
- Kレベル3: 切断者の身体能力レベルを示す指標の一つ。平坦でない場所や階段を歩行する能力を持つことを示す。
- スタンス(立脚期): 歩行サイクルにおいて、足が地面に接している期間。
- スイング(遊脚期): 歩行サイクルにおいて、足が地面から離れて振り出されている期間。
- 位相変数: 周期的な運動(例:歩行サイクル)の進行度合いを示す変数。
- 残存肢インターフェース: 切断された残りの肢と義肢を接続する部分(ソケットなど)。
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